幸せの先



その5組に入るには、学力がかなり必要で、特別な措置が必要な場合にしか認められない。

あみはその条件をある意味クリアしていた。

そこから考えられることはいろいろある。

毎日屋上で感じる、誰かがいた気配はきっとあいつのものだろう。

きっと真面目なやつで、毎日学校にも来ていて空き教室で過ごしているはずだ。

5組じゃロクに友だちもできないだろうし、ましてあいつの今の状態じゃあ1人でいるのだろう。

頭を下げて屋上を後にしようとしたあみに、いつもどこにいるのか聞くと驚いた顔をして振り向いた。

それでもすぐに自分がいつもいる空き教室の場所を教えてくれた。

口の動きで、すぐに屋上の下の教室だとわかった。

口パクで伝えたことに少し恥ずかしそうにする、その表情に無性にグッときた。

その気持ちを隠すかのように特になにも考えずに、遊びに行くと言ってしまった。

自分でも何を言っていってんだと思い誤魔化すように手を振ると、あみは一瞬迷ったような顔をしてから、今まで見せていた顔とは別人のような、子供のようにパッと笑顔になり、手を振り返してきた。