幸せの先






「なに、離れようとしてんだよ。




お前は俺だけ見てろ。」





そんな事を耳元でささやく賢一さんに、若干引く私。






「賢一、あみちゃんが可哀想でしょう。





お腹も空いてるだろうし。





早く座りなさい。」





お母さんのその言葉を聞いてかは怪しいが、やっと解放してくれはしたものの、手を繋いだまま座ると、今度は腰に腕が回った。