幸せの先






それに気づくのは、咳払いという定番の音で我に返るとこかは始まる。





「ごほん。




賢一、いい加減大人になれ。」






そのお父さんの一言で、私は慌てて賢一さんから離れようとしたが、ホールドされたまま動けない。






抵抗するが無駄だ。






貧相な私の力では到底、男子高校生の、それも暴走族の総長、それも極道の息子、そんな私の好きな人…それはまあ理由としておかしいけど。




とりあえず力には敵わない。