私はもう一度頭を下げて、屋上のドアへと向かった。
「お前、いつもどこにいんの?」
賢一さんの声だけが私を追ってきた。
その言葉に驚き振り向くと、賢一さんはさっき私が寝ていた位置から、こっちをじっと見て答えを待っている様子だ。
聞き間違いではない、私への質問だ。
この世界に、私の居場所なんかに興味を持つ人がいるという事に少し驚いてしまった。
私は口パクで、空き教室の教室名を言ったがこの距離だし分からないかなと思っとのだが、賢一さんは
「わかった、今度遊びに行くわ。」
そう言って手を振っていた。
不思議と心に温かい風が流れ込んできた。
side あみend

