部屋はとにかく広く、入ってすぐのところにソファーとテレビが置いてあり、その奥には大きな窓にベランダ。
小さなキッチンと大きな冷蔵庫、バーカウンター。
十分この部屋で生活できるレベルだ。
私がぐるっと見回し終わるの待ってから、賢一さんが奥も案内してくれた。
「あそこがクローゼット。
お袋チョイスの洋服が何着か入ってるから、後で見といて。
それで風呂場があそこで、トイレがあっち。
それで、この奥が寝室。」
そう言って案内された最後にたどり着いたのは、キングサイズのベッドが置いてある部屋。
「よし、とりあえず家の案内は後でするとして髪の毛乾かすぞ。」
洗面所からドライアーを持ってきた賢一さん。
受け取ろうとしたら、肩を掴んでベッドに座らされた。
「後ろ向いて。」
私は素直に後ろを向くと、賢一さんは優しく髪の毛を乾かしてくれた。

