そこからははぐれないように、手を繋いで部屋まで案内された。
長い廊下を進んでいくと、賢一さんが大きな扉の前でとまった。
「ここが俺たちの部屋。」
そう言って扉を開ける賢一さん。
うん…?
今、俺たちと言った?
私は部屋に入っていく賢一さんの後ろについて行けず、ビックリして立ち止まってしまった。
扉の前に突っ立っている私に気づいた賢一さんは、私のところまで戻ってきて頭に手を置いて言った。
「他にも部屋はあるけど、まあ一緒の方が俺が安心だから。嫌か?」
居候する身で文句は言えない。
2人でも十分な広さだし、あまりそういうことは気にしない性格だ。
ただ賢一さんは迷惑ではないだろうか。
そう思い賢一さんの顔を見ると、「俺と一緒にいろ。」と言う。
私は頷いて部屋に入る。
賢一さんも安心したようで、部屋の中へと進んでいく。

