幸せの先



「3年5組 山中あみ。」


お兄さんは私の名前を読み上げた。

疑問に思うことがあるのだろう。

でもすぐ下に書かれた単語を読みその疑問の謎が解けたのか、一瞬手を止めたがすぐに手帳を閉じ、ありがとなと渡してきた。


「俺は3年3組 青柳賢一 。よろしくな。」


私は頭を下げると、賢一さんに頭をくしゃくしゃと撫でられた。

久しぶりにあの男以外に触られた。

不思議と気持ち悪くはならない。


でも、なんでだろう。


この人といるとダメになる気がする。


そう本能的に思った。