この人に何かあったら今度は私が助けるんだ。 私には何もないけど、でも命をかけてでもこの人を守る。 私はこの時そんな決意をした。 "ありがとう" そう口パクで言うと、賢一さんは何も言わず微笑んだまま目の前に止まっている黒塗りの車まで連れて行ってくれた。 「乗って。」