「宮野さんは本当に真っ直ぐで良い子だね。そんなに心配なら宮野さん、ボクを此処から連れ去ってよ。
誰も知らないような、秘密の夜空が見える静かな場所に」

「そ、そんな事言わないで下さい……! 私にそんな芸当出来る訳……!」


更に戸惑う気持ちを加速させる咲に、奏はこれ以上はやめようと話を変えた。


「安心して。冗談だから。ところで、こんな所でボクの心配をしているって事は、
監視任務はキチンと遂行しているって事だよね?」

「……え!? あ、は……はい! 勿論じゃないですか!」


咲は必死になって監視を怠っていたという事実を伏せようとしていたが、

奏は既にこうなる2時間前にこの出来事を知っていた。