「お前が過去から逃げているようにも見えなくはない。
でも俺的にも魔性の女に大事な役員取られるのはかなり問題だし。トラウマ克服はそれからでも遅くない」

「その魔性の女、って言う人がどれだけ恐れられているか分からないけど……ボクも古瀬先輩に賛成かな」


5人はすっと立ち上がる。そして1番近くにいた旭が、座ったままの蛍人に手を伸ばす。

蛍人には彼ら5人が妙に輝いて見えていた。


「サボるよりは正々堂々戦おう……な?」


優しく笑いかける旭の手を、蛍人は力強く握りしめ立ち上がった。