本当は嘘なんてつきたくなかった。 だけど、嫌われるのが怖かった。 俺は臆病だ。そしてそんな自分がどうしようもなく嫌いだ。 あの時彼女に…奈々に素直に話していたら、こんなに胸がいたく、辛くはなかったのか? でも、もし話していたら奈々は受け入れてくれただろうか? いや、奈々は優しいからきっと受け入れてくれただろう。 俺は結局自分を守るために真実を言えなかった。 もっと早く真実を言えていたら… 翔side end