幼なじみと嘘つきレンアイ~らぶきゅんな甘い嘘をきみに~











「はぁ…っ、はぁっ………」


5分も、走り続けるわけ…なかった………


駄菓子屋さんの軒下に駆け込むと私は肩を落とした。


どうしよう。びしょびしょ………。

これは、ハンカチ一枚だけじゃ、足りなさそう…。



そう思って私が途方に暮れていると、


「しー!」

聞きなれた声が聞こえたかと思うとハルがかけてきた。

「大丈夫?びしょぬれだよ?」

そう言ってハルはスポーツバックを開けると大きいタオルを出して私の頭にかけた。

「使いかけだけど、拭いて。風邪ひく。」


…………え。

私が不思議そうに首をかしげると

ハルが私の手首をつかんで引き寄せると

タオルの上からぐしゃぐしゃと頭をかき回して拭いてくれた。


「ありが…と……。」

そっと上を向いてそう言うと

「………べつ、に。」

ハルは顔を背けてそういった。