[汐里side]







キーンコーンカーンコーン





私はチャイムの音でハッとして顔を上げた。

じゅ、授業終わっちゃった!?



私がぼーっと考え事をしている間に今日の授業はぜんぶ終わってしまったようで

みんながカバンをもって教室から出ていくのが見えた。







「しーちゃん?帰らないの?」

綺羅(きら)ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでくる。

「ごめん、帰るよっ!」

私がそう言ってカバンを持ち上げた瞬間。


「金子ー。お前、清水と仲良かったよな?これ渡しといてくれ。」

そう言って先生がプリントの入った封筒を私に渡してきた。

「これをハルに………?ハル、もう帰っちゃったんですか?」


「あぁ。委員会の仕事のプリントだそうだ。それと清水ならとっくに教室を出てったぞ?」


ありがとうございます、と言って帰ろうとした途端。