「んー、りんご食べる…」
背中に確かなあたたかさを感じる。
なぜ、こんなことになってしまったのか。
話は数十分前に遡る。
『ハル、一緒に寝よ?』
そう言われた俺はちゃんと、
首を振った。
でも………
『だめ………?
私、ハルに嫌われちゃった………?』
うるうるの上目遣いで
不安そうに見上げてくるしーを見ていたら
いてもたってもいられなくなって。
『いい…けど………』
思わず、頷いてしまったのだ。
白い腕や足は布団に隠れているからいいものの
『………んー、』
しーは、寒かったのか寝返りをうって
俺が精一杯、必死に開けた距離をつめてくる。
バクバクと俺の心臓が騒いでいるのを感じる。