[汐里side]
ピピピピッ
朝6時。
目覚まし時計の音で目を開いた私の第一声は叫び声だった。
「ハル…!?何でいるの?」
「いやぁ…花織さんに頼まれちゃって…。」
そう言って苦笑いするのはハル―清水晴。
私の幼なじみだ。
くっきりとした二重に縁どられた漆黒の瞳に
それにかかるさらさらとしたストレートの黒髪。
普通に誰が見てもイケメンの部類に入るであろう彼は、予想通りモテモテだ。
…まあ、私にはどこがいいのかわからないんだけどね。
「ちょっとママー!なんでハルに頼んだのー?」
そして、『花織さん』こと金子花織は私のママだ。
「えへへ〜。そしたら汐里も起きるかと思って。」
テへペロが異常に似合うママは、娘のお世辞抜きでも20代に見えるが、実年齢はアラフォー。
確実な年齢詐欺だと思う。