「もう遅いからあまり遠くには行けないけど… どこ行きたい?」 「じゃあ…………」 そういってしーが答えたのは 「うわぁ、ここ、懐かしいな。」 小さい時によく遊んだ公園だった。 おままごとをした砂場も 何度も滑ったすべり台も ふざけてて転んだ月山も そして、 大好きだったブランコも 昔と変わらずそのままだ。 ―ギィィッ 懐かしいブランコに腰掛けると もう、古びたそれは鈍く軋んだ。 「懐かしいねー。」 しーが、ギーコギーコと音を立てながらブランコをこぐ。