[汐里side]
「んー、寝ちゃってた…?」
陽の光に目を開くともう、日付は変わっていて
私はきょろきょろとあたりを見渡した。
………と、あしもとにあたたかい重みを感じて起き上がると
すやすやと気持ちよさそうにハルが眠っていた。
私が寝るまで、看病してくれたんだ……。
あどけないハルの寝顔にふふっと笑がこぼれる。
その黒くてサラサラの髪にそっと手を伸ばすと
「しー……」
ハルが、あまりにも優しく笑ってつぶやくから
私は思わず手を握って戻した。
「しー、すき、だよ………」
呼吸が、とまった。
すき………
スキ………
好き。
私、もうちょっと…
わがままになっても、いいかな?
ハルの、そばにいたい。