*
「しー、おかゆ………」
しーの好きな卵のおかゆをつくってドアを開けると
――すぅー
しーはまだ、気持ちよさそうに眠っていた。
この様子なら早く良くなるかな…。
そんなことを思いながら微笑むと
「ん…?あれ?ハル……?」
しーがゆっくりとまぶたを開いた。
「しー、おはよう。具合大丈夫?」
「うん。………あ!卵おかゆっ!」
ベッドの脇に置かれた卵のおかゆを見つけた途端
しーの目がキラキラと輝いた。
「本当にしーは、小さい時から卵おかゆ好きだよね。」
「うん。私は、ハルのつくった卵おかゆが世界一好きなんだ〜。」
そう言ってしーはふわり、と笑った。
「………っ。」
そんなの、ずるい。
そんなの………
うぬぼれてしまうじゃないか。