[晴side]



『離さないで』なんて、ズルイ。



ほんとは俺だって…












―この手を離したくはないのに。







「しー………」


そっとささやいてそのやわらかな髪の毛を手の甲ですくう。





ふわり、と甘い香りの漂うそれに


俺は優しく










――キスを落とした









「しー、好きだ。」






口にはできない想いを乗せて―――