「しー。傘、持っていきなよ。」 ハルに声をかけられてハッとすると、 もう、私の家の前まで着いていた。 「で、でも……」 隣とはいえ、ハルの家までは少し距離がある。 私に傘に渡したら、ハルが濡れてしまう…。 「しーは、女の子なんだから。素直に受け取っときなよ。」 そう言ってハルはニコッと爽やかに笑った。 うぅ… そんなの、ずるい。 『女の子だから。』 なんて、そんなの……… 意識、しちゃうじゃん。