連れてこられたのは人通りの少ない廊下。
「あのさ、七葉の遺書、読んだ?」
琉華の問に俺は答える。
「うん、読んだよ」
「結莉のせい…とは思いたくないんだよね」
「うん…」
「なんか、シャクじゃん。いじめてたやつに殺された、みたいな。あんな妄想女が呪いとか言っちゃってさあ、超ムカつく」
琉華は今でもかなり結莉が嫌いみたいだ。
俺は正直、いじめたことを後悔してる。
でも琉華がそう言うなら、そういうことにしないといけないんだろう。
「でさあ、あんた、告ったんでしょ?七葉に」
「ああ、…うん、」
七葉は琉華にも言ってしまったのか。
あの日、俺が言った言葉で七葉を傷つけたという事実が、俺の心を痛める。

