キーンコーンカーンコーン
チャイムの音が聞こえた。
七葉が起きる気配はない。
そのとき、保健室の電話が鳴った。
「…はい、はい、そうです_________分かりました、相談室ですね、向かいます」
先生がそう言って電話を置いた後、こう言った。
「谷口さん、有原くん、起きてるなら聞いてね。先生これからお客さんが来るから、相談室に行かなきゃならないの。何か緊急のことがあったら、職員室の先生なら誰でもいいから言ってちょうだい」
先生は俺らの返事を待たずに出ていった。
よし。
これは、チャンスだ。
俺は保健室の先生への客に心から感謝した。

