「…お前、もしかして…」 伸行の顔が青ざめていく。 俺は包丁を手に取った。 「好きな人がかぶるくらいだからな。俺が今から何をしようとしてるかぐらい、分かんだろ?」 俺は包丁を、すっかり固まって動けなくなってしまった伸行に突きつけた。 「お前のせいで七葉は死んだんだからな。償ってもらおうか…」 すると、伸行は弾かれたように立ち上がった。 もう1本の包丁を手に取る。