「そんなことがあるのかね?」 先生はドアを開けた。 「普通に開くじゃないか」 そりゃ、そうでしょうね? 今この瞬間、伸行が手を離したに違いないんだから。 「馬鹿な事を言ってないで、早く入りなさい」 先生は私を叱った。