「さくら、いる??」
牧田さくら。
私の親友。
「んー?」
さくらは私がいじめられてる事を知らない。
「ごめーん、英語、貸してくれない??」
手を合わせて頼むと、さくらはニコッとわらってうなづいた。
「どーぞ」
「ありがとーっ!」
よし、これで平気。
さくらに教科書を借りるのは初めてではなかったけど、2回目ぐらいだし、怪しまれることもないだろう。
私は教室に戻ろうとした。
ドアを開け…
あ、開かない…
私が入ろうとしたのは前のドアからで、前のドアは中から鍵をかけることはできない。
つまりきっと、中で琉華たちが抑えているのだろう。

