ソファーに投げようと思った。でも、そこまで来て航平に主導権が移る。 ずるずると寝室の方へ引き摺られる。 「ちょ、なに?」 有無を言わせず、ベッドへ二人して雪崩れた。 航平の体重の殆どが掛かって、苦しい。 「退いて、重い」 「苦しそうな顔、可愛い」 「マゾなのかサドなのか決めてからもう一回生まれてきて……」 「えーそしたら受け入れてくれんの?」 「お断りする」 陽気に笑いながら航平は私の上から退く。 急に静かになったと思えば、眠っていた。 電車動いてるんだから帰れば良かったのに。