私はおやつに含まれますか


行間って、私の話を聞かずにされた話に行間なんてあったのか。

納得いかずに唇を尖らせてみると、手を出される。

「わん」

「お手、じゃなくて。鍵」

「うん?」

「スペアキー頂戴。合鍵作ってくるから」

「ああ、うん」

「嫌がらないの? 寄生しないでって」

「だって、おやつ持って帰ってくれるんでしょう?」

きょとんとした顔。
その頬を指でさそうと腕を伸ばせば、掴まれた。

「俺はおやつに含まれますか?」

そろり、と喉元を甜められて、鳴いた。







20150701
end.