「篠原ちゃん!!」
フェンス脇に佇む篠原ちゃんに走り寄る。
隣に蕾ちゃんの姿はない。
「蕾ちゃんは!?」
篠原ちゃんはぎくりと肩を震わせ、こちらを向いた。
過ごした時間が少ないから断言はできないが──彼女らしくない反応だった。
「…蕾なら、帰ったよー?」
気のせいか青白く見える顔とわざとらしい位の笑顔が、なぜか不安感を煽る。
「帰った?」
「あれなら心配ないって、二回目のレシーブで帰ったよー。お墨付きだね、日向くん」
「篠原ちゃん」
「あー見えて中学の頃は関西圏のベストファイブは一回も落としたことなかったんだよ、蕾。そんなやつからお墨付きとか日向くん相当──」
「篠原ちゃん、何か隠してるでしょ」
篠原ちゃんの瞳が揺らいだのを見て確信した。
「蕾ちゃんは本当はどこにいるの?」
「──言えないよ」
篠原ちゃんの声が、震えていた。
「何で?」
「あたしは蕾の友達だから!こんなのが最後だなんて思いたくなんかない!けどっ…蕾との全部を大事にしたいの、今もこれからも!」
足下に滴が続けざまに落ちた。
「悪いけど、篠原ちゃん。頼むから、頼むから教えてよ」
蕾ちゃんの居場所。
両手で顔を覆う彼女に懇願する。
「さっきの言葉、どういうこと」
もう、無理だよ蕾。
蕾ちゃんの親友が苦しそうに呟く。
「ごめん、蕾ごめんねっ…」
やっと彼女が顔を上げた。
そして放たれた言葉を聞いた瞬間、
頭が真っ白になった。
真っ白だがしかし、無我夢中で駆け出した。
フェンス脇に佇む篠原ちゃんに走り寄る。
隣に蕾ちゃんの姿はない。
「蕾ちゃんは!?」
篠原ちゃんはぎくりと肩を震わせ、こちらを向いた。
過ごした時間が少ないから断言はできないが──彼女らしくない反応だった。
「…蕾なら、帰ったよー?」
気のせいか青白く見える顔とわざとらしい位の笑顔が、なぜか不安感を煽る。
「帰った?」
「あれなら心配ないって、二回目のレシーブで帰ったよー。お墨付きだね、日向くん」
「篠原ちゃん」
「あー見えて中学の頃は関西圏のベストファイブは一回も落としたことなかったんだよ、蕾。そんなやつからお墨付きとか日向くん相当──」
「篠原ちゃん、何か隠してるでしょ」
篠原ちゃんの瞳が揺らいだのを見て確信した。
「蕾ちゃんは本当はどこにいるの?」
「──言えないよ」
篠原ちゃんの声が、震えていた。
「何で?」
「あたしは蕾の友達だから!こんなのが最後だなんて思いたくなんかない!けどっ…蕾との全部を大事にしたいの、今もこれからも!」
足下に滴が続けざまに落ちた。
「悪いけど、篠原ちゃん。頼むから、頼むから教えてよ」
蕾ちゃんの居場所。
両手で顔を覆う彼女に懇願する。
「さっきの言葉、どういうこと」
もう、無理だよ蕾。
蕾ちゃんの親友が苦しそうに呟く。
「ごめん、蕾ごめんねっ…」
やっと彼女が顔を上げた。
そして放たれた言葉を聞いた瞬間、
頭が真っ白になった。
真っ白だがしかし、無我夢中で駆け出した。


