書きあげた紙を私は手に握りしめ、自分の席を立つ。





そのままゆっくりとアイツの席まで行き、その紙を差し出す。










『エコな女になれ、とか言われても無理。
 
 内容が分からないのに誰も読まないよ。

 
 それよりあんたこそエコな男になりなよ?
 
 紙で書いて捨てられるなら学習して言葉にして言ってよ』




私がそう言うと、アイツは自分の頭を掻き始めた。








『でも、まぁ…せっかく手紙で言われたことだし。
 私もその紙に返事を書いてみたから読んでみてよ』



最後は早口になってしまったけど、最後までアイツの目を見て言いきることが出来た。







アイツは私から紙を受け取ると、その場で静かに紙を開いていく。







『……………え……マジ…!?』




たった一言、だからすぐに読み終えたであろう彼が目を大きく見開かせ、そう言葉を発した。









『これ、マジ?
 マジなら、俺、約束する!』





『それなら…その紙に書いた通りの返事でいいよ?』









“意地悪しないなら付き合ってもいいよ”






その一言の返事に、アイツは舞い上がっている。


けれど、その姿を見て顔が緩んでいるのは、私が彼を好き、ってことなのかもしれないね。













*END*