誰にも見えないその影を




こんな時間になるまでここにいたということは、私はまだ見つかっていないということなのだろうか。


だけどこの空き地には隠れていて絶対に見つからない場所なんてどこにもない。


だとすればかくれんぼはまだ続いているのだろうか。


でも、それにしてはみんなが見つかるのも遅すぎる。


違和感を覚えた私は草の陰から身を乗り出し、立って辺りをぐるぐると見渡す。


しかし、その空き地には誰もいなかった。