「やっと朝飯か」
声が聞こえた。
「う……うるさい。誰のせいだと思ってんの」
その声の主は冷蔵庫の前にいて、男性らしい大きな背中がそこにはあった。
私以外に女性はいないのだからそれがここに住む男性の誰かであることは確かなのだが、私にはそれがすぐにわかった。
「誰かさんが腕踏むのやめてくれたらもっと早くにご飯が食べられるのになー」
わざと棒読みで、しかも嫌味たらしく言ってみる。
まあ目の前にいるそいつは他人のことを気にするような優しい性格ではないから、平然とした顔でいるのだろうけれど。
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