誰にも見えないその影を




怒鳴られた彼らが出て行くと、私は再び布団をたたみ始める。


どうしてみんな、自分の存在に気づかないのだろう。


もしかしていじめられているというケースも考えたほうがいいのだろうか。


もしそうだとすれば、これは完全に男女差別ではないか。


これは男女共同参画社会に違反している。


――……訴えてやろうか、ここに住む男ども全員。


いや、でもまだ確信はできない。


だって昔からそんな感じだったから。


隠れると誰にも見つけられない。


隠れていなくてもそこに私がいることを誰も把握していない。


あの日の『かくれんぼ』を思い出す。


……嫌な思い出だ。