今でもあの日のことは感謝しているし、忘れたことはない。 だけどあのとき、彼に「ありがとう」って言えなかったのは、私が素直じゃなかったから。 まあ今でも変わらず素直になってないのだけれど。 ……でもまあ、いつかは言えたらいいかな。 誰にも見つけられずに忘れられていく私を探して見つけてくれるのは、いつもいつも『彼』だった。