教室で新があたしを連れ去った時、
あぁ、あたし、この人のこと好きだなって思っちゃったの。
というか、嫌いと言われたところで好きな気持ち消せるほど大人じゃなかった。
ずっと一緒にいた新だもん。
「……お前、ズルすぎ。」
ズルいのはどっちですか。
そんな、可愛い顔しないで。
昔よりも声が低くなって、
昔よりも手とか、顔とか骨っぽくなって、
昔と同じで、可愛い顔をする。
「……ぅわ」
「好きです。俺と付き合って?」
突然抱きしめられた体は新に押し付けられて。
心臓の音がドクドクドクドク言っているのがわかる。
ふはっ。緊張してるのわかりすぎ!!
「新、顔真っ赤。」
「……言うなよ。……っ!?」
チュッ……
「……!」
「……はいっ。………ふはっ、もっと真っ赤だ。新ヤンキーとか嘘じゃん。可愛いっ」
「……それは……。てか、可愛いのは穂花の方だから。そういう容赦ないのは昔のまんまなんだな」
「うわー!新がデレた。今までならありえないわっ」
あたしが可愛いなんて、簡単に言ったようで緊張したんだろうな。
これは当分いじりがいがありそうだ。



