「琳ちゃん、もうちょっと右でしょ!」

「いや、ここで多分ジャストだろ!」

「えー!絶対取れないよ、これ」

「取れるって。見とけよー」


二人は無邪気にUFOキャッチャーに釘付け。
私はそれを後ろから眺めていた。

そして暫くして、二人から歓声が上がった。


「よっしゃー!取れた!」

「ふーちゃん、はい」


琳ちゃんさんに渡されたそのクマは、相変わらずのあどけない表情。


「可愛い...。ありがとうございます!」

「いえいえー」


ふわふわした、優しい時間だと思った。


『最高。マジ楽しい』


琳ちゃんさんの笑顔に、私もつられて笑顔になる。


カシャッ


だけど、その音に琳ちゃんさんが反応したのが分かった。