「久し振り…かな。」

志信がためらいがちに声を掛けた。

「そう…かな。」

なんとなくぎこちなく視線を泳がせて、薫はタバコに火をつけた。

志信は落ち着かない様子で、タバコを持つ手元を見つめている。

(どうしよう…急すぎて心の準備が…。何か話したいのに、なんも話題が思い浮かばねぇ!!)

焦る気持ちを薫に気付かれないように、志信は必死で平静を装った。

「この間の焼き鳥、すごく美味しかった…。」

薫がポツリと呟くと、志信は少しホッとしたように笑みを浮かべた。

「あの店の焼き鳥、うまいよな。」

「うん。すごく気に入った。」

薫が笑う。

(誘ってみようかな…。)