「私の事、信じられないの?」

「そうじゃなくて…夢みたいって言うか…。ずっとフラれっぱなしだったから。」

「ごめんね、素っ気なくして。でも、夢じゃないよ。」

「だよな。」

志信はしっかりと薫の手を握り、その手の温もりを確かめた。

「今日の薫はもちろんキレイだけど…オレはやっぱり、いつもの薫が好き。」

「なんで?」

「薫、その服だといろいろ気になって落ち着かないだろ?気になってあまり食べられなかったみたいだし。」

「うん…実は…。」

薫のバツが悪そうな顔に志信は笑う。

「だと思った。オレの前では無理して頑張らなくていいよ。服装とか気にして好きなもの食べたり飲んだりしにくいんじゃ、疲れるだろ?」

「そうだね。」

薫はホッとして微笑んだ。