「ん……見えない……」
体育館の中を覗いたはいいが人が多すぎて全く見えない。
しかも男子のみということもあってみんな背が高いのだ。
「みんなおっきいんだよ…」
150cmのわたしは全く見えなくて
少し背伸び。
仕方なく体育館の中に少し入り込んだ。
痛かった足のことを忘れて。
「よいしょっ……と」
「あれ?橘じゃん…女子がなんでここに?」
同じクラスの男子に気が付かれた。
そんな声に耳も傾けずそそくさと前に進んだ。
「……人多すぎ」
やっとのことで前まで出られた。
確かに女子がなんでここに?ってくらい周りには男子。
わたしは今すごく浮いている。
今さらだけど恥ずかしさがこみ上げた。
「………」
「……おお」
一瞬で場の空気が変わった。
「柊哉すげえな!!」
「流石だわー」
シューヤ…
シューヤ…!
わたしは思い切り顔を上げた。
