ラストボーイ











"芽生っ・・・・・芽生。"







誰かがあたしを呼んでる。


でも誰か分からない。






"芽生・・・・・の・・・こと・・・・に・・・・・なれよ"







何て言ったの・・・・・?




あなたは誰・・・・・?



あたしはまた深い深い眠りについた。



遠くであたしを呼ぶ声がした。


でもそれが誰だか分からなくて、
現実なのか夢なのかも分からなかった。




だけどそれは、

どこか懐かしくて安心する誰かの声だった。








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「・・・・・熱中症ね。」





芽生が倒れた。


原因は猛暑の中飲まず食わずだったから。





俺のせいだ。






「極度の衰弱状態って言ったところね。こまめに水分補給をして様子を見れば大丈夫。」






飲まず食わずで俺を探してたからだ。



それに芽生は昔から体が弱い。


そんな事も知っていながら、
俺は自分勝手でガキみたいな感情を抑えきれなかった自分を悔やんだ。






「ありがと、母さん。」





俺の母親は一応医者。


芽生が倒れて俺はすぐ海の家まで芽生を担いだ。
意識を失った芽生は呼んでも反応しない。




すぐ母さんに電話して来てもらい、
今は俺んちにいる。






「芽生ちゃんのお母さんには電話を入れておくわ。愁は芽生ちゃんについててあげなさい。」





言われなくてもそうする。





「お友達も今日はもう帰りなさい。芽生ちゃんの事はまかせて?」






「はい。お願いします・・・。」





「愁、また連絡する。それじゃ。」






木内と勇志は帰っていった。

黄瀬は俺が相手をしないからつまんないだとかの理由で先に帰った。







静かな芽生の寝息。




たまに唸されて苦しそうな顔をする。







「全然守れてねぇじゃん俺・・・。」







自分の情けなさに腹が立つ。


守るって言ったのに守れてない。




俺はそっと芽生の頭を撫でた。



静かに眠る芽生が愛しい。

本当は全ての事からこいつを守りたい。




けどそれにはやっぱり幼なじみっていう壁があって、
俺はまだあくまでも幼なじみとして、
全ての事から守れてる訳じゃない。








本当は俺のものにしたくて





俺だけが芽生を守りたいのに







俺はまだ幼なじみでしかないから。










「芽生・・・・俺の事好きになれよ・・・。」











君に直接言えたらいいのに。