ラストボーイ








「あれっ?愁ちゃん上がるのかなっ?」




愁ちゃんは黄瀬さんを置いてひとりで浜辺に向かっていく。



疲れたのかな?




「腹減ったのかもよ?俺らも1回上がる?」




「うんっ!」




勇志くんが浜辺まで引っ張ってくれた。

愁ちゃんは顔にタオルを被せて寝そべってる。




やっぱり疲れちゃったのかっ!

びっくりさせてやろ~っと♪



あたしは気付かれない様に愁ちゃんに近付いて、
愁ちゃんの頭上までくると大きな声で叫んだ。





「わっ!!!」




あ、あれっ?寝ちゃってる・・・?


驚かすつもりが、
愁ちゃんは何の反応もしない。




「愁ちゃんっ!なんか食べる?」





「・・・・・」





愁ちゃん寝てるの?



あたしはそっと顔にかかってるタオルを取った。




「愁ちゃん、大丈夫?」




「先行ってて」




どうしたんだろ。
何かすごい機嫌悪い・・・・・?


黄瀬さんも様子がおかしいし、
もしかして喧嘩でもしたのかな・・・。




「しゅ、愁ちゃん・・・喧嘩でもした?」



あたしがそう聞くと愁ちゃんが目を開けた。





「してねぇよ。先行ってろって。」




「・・・・・愁ちゃん?」




やっぱりなんか変。
目も合わせてくれないし。


あたしに怒ってるの?




「愁、どこいくの?」



起き上がってどこかに行く愁ちゃんに勇志くんが呼び止めた。




「わり、先行ってて後から行く」




「わかった。」





理由も何も分かんなくて、
礼ちゃんが黄瀬さんに聞いてたけど、
黄瀬さんはあたしといる時は普通だったと言った。





あたしが起こしたからかな・・・。


だから怒っちゃったのかな。

でもやだよ。楽しくないよこんなの。




あたしはそこからしばらく動けなくて、
食欲も無くなってただひたすら自分が何かしたんじゃないか考えた。


普段から優しい愁ちゃんが、
あんな風に怒る事は滅多にないもん。






どうしちゃったの。愁ちゃん。