ラストボーイ











「愁ちゃん?」





走ってきた愁ちゃんは、
乱れた呼吸のままあたしを抱き締めた。







「愁ちゃん‥‥?」






少し痛いくらい腕に力を入れる愁ちゃん。






「ママから聞いて来たの‥‥?ちょっと喧嘩しちゃった。」







愁ちゃんは何も言わず、
腕の力を緩める事もしなかった。







「‥‥愁ちゃん。ちょっと痛いよ。」






あたしがそう言うと、
愁ちゃんは着ていた制服のブレザーをあたしにかけた。







「ありがと‥‥。ごめんね!でもちゃんと帰るつもり。久しぶりにママに怒られちゃったよっ。」








「ん。」






愁ちゃんの返事はいつも短い。







「それにしても、もう冬だねっ。息が白い♪」






「ん」







「あっという間に1年終わっちゃうね。Xmasは愁ちゃんと2人で過ごし‥‥‥‥あっ‥な、なんでもない!」






顔に熱を帯びるのが自分でも分かった。

恥ずかしそうにしてるあたしを愁ちゃんは鼻で笑った。








「いいよ、2人でXmas」





い、いい、いいのっ?!





「本当?」





「うん」





「良かったぁ‥‥。」





正直今のあたし達の関係がよく分からないから、

誘うのも怖かったけど言って良かった‥‥。








「言われなくても俺はそのつもりだったけど」






愁ちゃんがサラッとそんな事を言うから、

またよく分からなくなった‥‥っ!




それはつまり‥‥彼女として?


ん?てかあたし達付き合ってないよね‥‥?