ラストボーイ










「付き合ってるって噂になってんぞ」




好きに言ってろよ‥‥。

俺は黄瀬に好意はなんか持ってない。







「俺の事よりお前どうなんだよ」





俺は持っていたバスケットボールを勇志に投げた。






「俺?俺がなに?」




受け取ったボールを俺に投げ返して勇志が言った。






「芽生の事好きなんだろ?」





ずっと聞けなかった事‥‥
でも、もういいと思ったんだ。




勇志は真っ直ぐ俺の目を言った。





「ああ。愁もだろ。」




リングを狙って投げたボールが、
大きな音をたてて床に落ちて転がった。






「好きなんだろお前も」




体育館に勇志の声が響いた。

いずれ気付くだろうなとは思ってたけど、
いざ聞かれると言葉が詰まる。






「は?幼なじみだよ芽生は。」




嘘は言ってない。

あいつは‥‥幼なじみ。






「俺‥‥遠慮する気ないから。」





ウォーミングアップを始めた勇志が俺に言った。







「だから何もないって、頑張れよ」






勇志に遠慮した訳じゃない。



俺が自分に負けただけ。





何度ゴールを決めても、
その日は一度もリングに入らなかった。





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