ラストボーイ








次の日も次の日も、
愁ちゃんはあたしを迎えに来なかった。





朝玄関を開けても愁ちゃんの姿はなくて、

放課後教室にも呼びにこなくなった。






「愁ーっ!!」





愁ちゃんと腕を組む黄瀬さん。
こんな光景はもう見飽きたって位見た。



噂では二人が付き合い始めたって話もある。





あのキスを境に、
あたしと愁ちゃんは全く接点が無くなった。




礼ちゃんも勇志くんも、

原因がなんだか追求しようとはしなかった。





あたしが愁ちゃんを極端に避けてたからかもしれない‥‥。





愁ちゃんは至って普通で、
勇志くんと並んで歩く愁ちゃんの姿を見ては、
顔を伏せて歩くようになった。





嫌いになった訳じゃないのに。


避けたくて避けてる訳じゃないのに‥‥。







「あの二人まじで付き合ったのかな?」




仲良さそうに、
黄瀬さんと話す愁ちゃんを見て礼ちゃんが言った。








「んー‥‥わかんないっ!上手くいったのかもねっ!」





愁ちゃんが幸せなら、
笑っていてくれるならそれで良かった。



その笑顔を遠目から見ていられるだけでも、
あたしはあたしでいられたから。