ラストボーイ









「芽生、また明日ねっ!」





「うんっ・・・またね。」





いつも教室に迎えにくるのに、
今日愁ちゃんは来なかった。


帰り際教室を覗いてみたけど、

愁ちゃんの姿は既になかった。





愁ちゃん・・・・・。




愁ちゃんの靴はもう無かった。
これから一緒に帰れなくなるのかと思うと、
すごく憂鬱だった。






「・・・・・雨かぁ。」






突然降り出した雨。

天気予報で雨なんか言ってなかったのに。





あたしは傘を差して帰る生徒達を見て、
呆然と立ち尽くした。




並んで帰る人。



手を繋いで帰るカップル。






こんな日くらい、
雨に打たれて帰るのもいいかな・・・・・。


この雨が今日あった事を流してくれればいいのに‥‥。






あたしは雨の中一歩を踏み出した。



あれ?雨が‥‥




振り向けば傘を持ってる勇志くんがいた。








「風邪引くよ」





むしろその方がいい。
風邪引いて熱が出て学校に行けなくなれば、
愁ちゃんとも気まづくないし‥‥。






「送るから、行こ」





勇志くんに言われて、
あたしは勇志くんが持つ傘の中に入った。






2人で入るには少し窮屈で、
あたしが濡れない様に気遣ってくれる勇志くんの肩は濡れてた。







今までとは違う相合傘‥‥。