『宙人!?』



俺に気づいたゆっちゃんは慌てて松山を突き飛ばした。



普通だったら松山が無理矢理したって思えた。



松山に殴りかかるただそれだけなのに…出来なかった。



ゆっちゃんの顔が耳までかけて赤かったから。




瞬間に俺の気持ちは冷めた。



自分でもビックリするくらい冷めた。




『宙人…』


「来んな!」


ビクッとしたゆっちゃん。



「コレを見せつけるために手紙書いたのかよ?」



『手紙?何のこと?』



「しらばっくれんじゃねぇよ!!松山と一緒に俺のことたぶらかして笑いモンにさせるつもりだったんだろ?」


『違う!何のことなの?さっぱりわからない!!』



もう、めんどくせぇ…



俺は何も言わず自分のクラスに戻った。




「おい、高澤!堂々と帰んな!」


「おい、宙人!」



先公と悠真を無視して鞄を持ち学校を出た。