つぎの日、私はコンクールの為に会場に来ていた。

「どーしよー、緊張するよぉぉぉ」

と隣でメイクをし終わった真帆が震えながら訴える。

「あー、はいはい。そーですねー。」

と私は受け流す。

「えー、もっと仲間を大切にしよーよ」

と拗ねるので、

「今日は仲間じゃなくって敵でしょう?
通常運転の方が良いよ。それとも…
真帆ちゃん!ガンバローね!真帆ちゃんなら出来るよっ!
って言ってもらいたいの?」

と私は言う。

「…期待した私が馬鹿だった。ごめん。」

と真帆は興味が失せたようにメイクのチェックをしていた。

「私はちょっと体動かしてくるよ。」

と私は上着を着てから荷物を持って歩く。

ここの会場はリハーサル室があるのでそこに向かうのだ。

「あ、私も後で行くね。」