___ある日の男子密会にて。



「…なぁ。俺思うんだけどさ。
ーーーー漆原って、可愛いよな。」

「おぉ!分かる分かる。
なんか白ウサギみたいっつーか。」

「だよなだよな!
まぁ、残念なのは彼氏が居るって事だけれども…」(チラッ)

「なんか、無理やり付き合わされてるって噂を聞いたんだが。」(チラッ)

「……チャンス、あり。
ちょっと、狙ってみっかな。」(チラッ)

「同意」
「激しく同意」
「同じく」



ーーーボキッ


「なぁ。今なんの会話してたの?
俺も混ぜて。」



嫌な音が聞こえ、振り返れば、折れたシャーペンを握り締めながら近づいてくる発情期中の狼が一匹。



「漆原が………。何て言った?何に同意するの?

説明しろよ。ーーーーー昴くん?」


ーーーボキッ


再び嫌な音がする。しかしそれは、シャーペンではなく、俺の首が捻れた音なのである。


「うぐぇぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

「お前ら次"漆原"の"う"の字でも言ってみろ。


殺すぞ。」


「ギブゥ!ギブッ!ぎぶぎぶぎぶ!!
うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」




つーか俺、一言も喋ってないんですけど。