「お、おまたせ!」


そう言われ振り返ると、そこには制服姿のゆあが居た。


「なに…してんの?」


「青春時代を思い出そうと…思って…って何してるんだろう私!」


「…俺、教師になったし何だかだめなことしてる気分」


って、こんなことでも言っていないと今すぐにでも抱きしめてしまいそうだ。

俺のことを待ってくれている人が居るということ、こんなにも俺を好いてくれる人が居るということ。


「ありがとう」


「は、え?まだ何も…」


「何もって、あれ?冷蔵庫の」


「え!ばれてたの?!」


「ごめん、さっき見た」


もう!と言って怒られながら、席に着くとさっき見た美味しそうなものが出てきた。

一緒に食べるこういうバレンタインも捨てたものじゃないねと言いながらこれからもこんな気持ちを忘れないようにと心に誓いながら幸せなこのときを噛み締めた。