お賽銭をするためにお金を取り出す私。


「ん?21円?」


私の手のひらを見て不思議そうな顔をする裕也。


「これはね、割り切れないから恋愛継続夫婦円満願に良いらしいよ?」


「へ〜」


反応の薄い感じだった割にはきちんと21円を出してくるあたりが私は好きだなぁ。


ちゃっかりと他のことまで言っちゃったけど…まぁいいか。



「ねぇ裕也」


「何?」


車に戻ってシートベルトに手をかけながらそう呼びかける。


「私、裕也と結婚できて良かったよ」


「…そう」


「うん…ありがとう」


裕也の方を向いて笑顔でそう言うと、


「…その…俺も…ゆあで良かった」


照れたのか素早くシートベルトをして裕也は車を走らせた。


また一年…いや、一年と言わずこれからもずっと私たちがしわしわのおじいさんおばあさんになってもよろしくね?