瑞歯別皇子(みずはわけのおうじ)は前回の誘拐事件から、気持ちの抑えが出来なくなっていると感じていた。
佐由良に口付けした時、元々はちょっと軽くするだけのはずだった。
だが彼女に口付けした瞬間、彼女のくちびるの柔らかさに酔いしれ、一気に欲望が湧いた。

佐由良が綺麗な娘なのは流石に自分でも分かっていたが、まさか自分があれ程に彼女を欲しっていたとは全く気付かなかった。 

(くそ、コイツを怯えさせたくないのに。どうしても気持ちが出てしまう。何とか制御しないと、大変な事になる)

その後は特に問題もなく、2人は物部伊莒弗(もののべのいこふつ)の住む所へと向かった。